忍者ブログ
オリジナル創作と日常の呟きを、徒然なるままに。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



志方あきこ『Turaida』

待望の4thアルバムが遂に来ました。
一周目を聴き、感激に昂ぶる胸の内が冷めやらぬ内に、一気に感想を捲し立ててまいります。
ご興味おありの方は、ぜひ続きからお付き合いくださいませ。




ライラニアショップで予約したので、アナザージャケットとブロマイドがついてきました。
上の写真の通り、アナザージャケットには志方さんがいません。
深読みかお節介だったら申し訳ないのですが、Ustream配信など、各所でたびたび志方さんが「私の写真はいらない」というようなことを零していたと記憶しています。
個人的に、あれは志方さんの謙遜とか冗談ではなく、本気でそう思ってらっしゃるのではないかと思っています。
なので今回、アナザージャケットがこのような形になっているのではないか?
志方さんが本当に希望していた形はこれだったのではないか?
そんなようなことを、勝手な想像ではありますが考えています。
そしてそう考えた場合、ライラニアショップで購入して良かったな、と感じたりもしています。



今回はディスクのデザインがとてもシンプル。
ジャケットのように、凝りに凝って高密度で仕上げてくるのが彼女の常でしたので、こんな表現もされるんだなと、新鮮に感じました。
一度こんなような方向性でまとめた作品も見てみたいですね。

***

さて、以下は各曲を順番に辿っていきます。

1.時に埋もれた言葉
Turaidaの世界観にそっと誘うように、ゆっくり、しっとりと…。
と思いきや、突然木霊のような響きがあちこちから高らかに響きます。
ここで「!」となった瞬間、現実を忘れ、一気に異世界に引きずり込まれます。
声の響きと重なり合いが、溜息が出るほど美しい一曲です。

2.Arcadia
オープニングを飾る大迫力の楽曲です。
実際にテレビ番組のOPで使われている曲なので、メロディーや構成もキャッチーで聴きやすく、これぞ開幕の一曲!という印象。
テンションがぐんぐん上がります。
歌詞は志方語。(私が勝手にそう呼んでいるだけで、多分名も無き造語です)
じっくり向き合って解読するのも一興でしょうか。

3.光降る場所で~Promesse~
タイトルから優しい曲調を想像してかかると、その展開に驚かされます。
歌詞も決して、明るく幸せなものではありません。
救えなかった。達成できなかった。すべては終わってしまった。
そんな憂いの中、暗い雲間から降り注ぐ光。
その一筋が我が身を照らし、ハッとして仰ぎ見る。
その視界いっぱいにとらえた、美しい世界。希望の色彩。
…そんなイメージが目に浮かびました。
(OVAで使用されている曲なのですが、本編は見ておりません。個人的な感想です)

4.アラベスク
アラビアンナイトをモチーフとした中東ファンタジーな一曲。
去る三月のライラニアコンサートでは、ベリーダンサーを引き連れて先行披露されました。
この曲のポイントはずばりアラビヤ語コーラスでしょう!
アラビヤ語を学んでいる身としてはただただ嬉しいの一言です。
ただし、いざ聴いてみるとそのほとんどがメインボーカルの後ろで歌われているので、聴き分けるのは至難の業…!
こちらのアラビヤ語歌詞の解読・翻訳を、後日別途書いて載せる予定です。
ご興味ありましたらそちらもぜひどうぞ。
(20131029追記)
アラビヤ語歌詞解説、書きました。こちらからどうぞ。

5.化石の楽園
6.翅亡キ花
この二曲は、ぜひ一緒に感想を述べさせていただきたいと思います。
どちらも同じ世界観を歌っており、静と動の対になっています。
微細な銀の砂がきらきらと降り積もり、どこまでも繊細な静寂に包まれた白亜の森。
望まれない人の手によって、無残にも滅びていく世界。
そこに二人の人物が登場します。
「化石の楽園」が少年、「翅亡キ花」が少女の視点でしょうか。
もしかしたらこの世界は、少年と少女が共有する(けれど見ているものが全然違う)心象風景なのかもしれません。
今回のアルバムで、この二曲が一番衝撃的でした。
あまりにも辛く訴えかけてきて、歌詞カードから目が離せませんでした。

7.Buonanotte
2ndアルバム『Raka』収録の「Luna Piena」の流れを引き継ぐような、たおやかな夜の曲です。
志方さんがTwitterで「母から子への子守歌。けれど、その更に後ろから見守る大きな存在がいて、そこまでを表現したかった」というようなことを仰っていたと記憶しています。
まさにその通りで、深く優しく、とてつもなく大きな慈愛を感じます。
志方さんの歌い方がいつにもまして豊かな気がしました。
演奏のシンプルさがこの曲の良さをより引き立てているように思います。

8.ひらいてさんぜ
和楽器の演奏を贅沢にたっぷりと盛り込んだ、華やかな和風曲です。
幾重にも折り重なる和楽器の音色に包まれてテンションMAXの志方さんが目に見えるようです。笑
この曲は最後の展開に注目です。
箏で巧みに表現されるある光景と、その後の歌詞に驚かされました。
あれほど豪華絢爛に咲き誇っていたのが嘘のように、一瞬です。

9. 萼―utena―
疾走感が映える、美しさと格好良さを貫いた一曲です。
戦闘に身を投じる美少年が見えてくるようです。
この曲もある作品に使われているものなのですが、作品を知らなくてもこれほどはっきりとモチーフや雰囲気が伝わってくるということに、ただただ感心するほかありません。

10.祈りの果てのひとふりの
こちらも去る三月のライラニアコンサートで先行披露された曲です。
2ndアルバム『Raka』収録の「晴れすぎた空の下で」の続編となる曲です。
この曲を聴いていたとき、信じられない出来事が起こりました。
乾いた土と茂る緑と滴る水の匂いを、順に、確かに嗅覚で感じたのです!
音楽に身を任せながら、妹と一緒に異世界を歩いていたのかもしれません…。

11.刻限のロンド
ゲームの主題歌としては珍しい(というか前代未聞?)五拍子の楽曲です。
志方さん曰く「五拍子は切迫した生き急ぐ感じ」とのことで、まさしくその通りの印象が感じ取れます。
音色も響きも美しく豊かなのに、どんどんと先へ先へ行ってしまう。
リズムに乗ろうとしてもなかなか乗れず、いつの間にか半歩先へ行ってしまっている。
この曲もやはり、作品の世界観を秀逸に表現しているのだと思います。
雰囲気は“いつもの志方”な馴染みあるものですが、とにかくリズムがあまりにも独特で、一度聴いたが最後、強烈に印象に残って離れません。

12.Leyre
アルバムのラストを飾る曲です。
聴いている間ずっと、終わらないで!もっと聴いていたい!と強く思いました。
けれど、そんな切実な思いもくるんと包んで、志方さんが手を引いて、笑顔で最後の美しい世界を見せてくれる、そして終わりには幻想世界ごと、音の泡になってふわっとかき消える…そんなビジョンが瞼に映りました。
こちらも歌詞は志方語で書かれています。
一曲目の「Arcadia」とは別の言語で、右から左へ書くようです。

***

初回限定版を購入したので、この後、タイアップ曲の作中使用ショート版などを多数収録した特典ディスクの方へとなだれ込みました。
あまりにも長くなってしまうのでこちらの感想は割愛しますが、ひとつだけ。
「月待ち茶話」が懐かしすぎてニヤニヤしてしまいました…!
(ファンクラブイベント、ライラニアお茶会で流れた曲です)
志方さんがティーポット持って話している姿とか、お茶会全体のほどよくgdgdな感じとか(笑)、志方さんに会って話して笑いあって、心の底から最高に楽しかったことなど、思い起こされてほくほくしました。

***

以上、長々とした感想にお付き合いくださりありがとうございます。
志方さん、今回も極上の世界を作り届けてくださり、本当にありがとうございます!
これからも、いつまでも、応援しております。
PR
free area
profile
HN:
真中ユエ
HP:
 
オリジナルファンタジーをイラストや物語で表現しています。
サイトにて作品公開中。
link

Template "simple02" by Emile*Emilie
忍者ブログ [PR]